初めに

本日、出張から帰社し、ふと何かが頭をよぎりました。
ちょっと、アドベントカレンダーネタでも探そうか、と。

会社のサーバー上には各社員の個人フォルダがあり、私の場合、そのフォルダには設計した機種の機種ナンバー名のフォルダで整理されており、関連データが保管されています。
その中でも、あたかも過去の機種ナンバーであったかのような、この世に存在しない機種名のフォルダがあります。
そこの中には何があるかというと、その昔トレード分析をしたExcelファイル類、後で読む予定のPDFファイルが入っています。

ええ、わかっています。
業務時間中に考えてはいけないことを考えているという事を。

でも皆やってるでしょ。

会社のコピー機で有価証券報告書を印刷したり、
会社のコピー機で気になるファイナンスの論文を印刷したり、
会社のPCで取引先調査と言いながら、気になる企業のアニュアルレポートを読んでいたり、
原材料の価格動向見るとか言いながら、原油価格の時系列データを分析したり、
業務で使おうと思っているとか言ってPythonを勉強したりしているでしょう。
知り合い中には会社で契約しているデータベースを活用している人もいますし。

まぁ言い訳はこの辺にしておいて、本題にはいりましょう。
今日見つけたのは2017年のデータで古いです。
三菱地所と日本ビルファンドのペアトレードです。

分析に至るまでの考え方

ペアトレードをするにしても、どのように2銘柄を抽出すれば良いのか大いに議論になると思います。数学的に似たような動きをするからというだけの理由だと、バックボーンが無いと感じがする人も多いはずです。
私の場合は業態が非常に似ているか、子会社親会社関係でバランスシートで繋がっているか、などの基準で選んでいました。
業種別で分類しても、総合電機メーカーなどは抱える事業ポートフォリオは全く違いますので、感覚的にペアにしたくありません。
やはり差別化しにくく、非常に似た業態を選ぶのがベストと思っていました。

たとえば地銀とか。

そんな中、不動産株なんてどうだろうか?、しかも少し皆がフォローアップしていないリートと不動産株のペアなんてどうだろう?と思ったのが当時の心境だったと思います。

そこで選んだのが不動産株の最大手の三菱地所とリートの最大手の日本ビルファンドでした。
なお、インデックス選んでも最大手選んでも寄与率的に変わんねぇだろとも思っていたと記憶しております。

ペアトレード手法とバックテスト結果

ペアトレードの手法として書籍等に出てくるのは決まってボリンジャーバンド。

私の場合は使っておりません。
だってテクニカルあんまり好きじゃないんだもん、という単なる趣味的な物からきております。
とは言っても今回出てくるのはストキャスティクス%K。
矛盾してますね。
何故使っているかと言うと、説明できないけど効くからです。

前置きはこの辺でトレードロジック行ってみましょう。

①仕掛けは後場寄り付き。手仕舞いは後場引け。毎日実行。

②観察指標は6日間の%K。直近価格は前場引値を使用。

③2銘柄の上記%Kを比較し、%Kが高い方をショート、低い方をロング。

非常に簡単なロジックです。
で、結果は以下。

2014年のはじめから開始して、2年半は利益を出していたようです。
年利は50%~60%。
しかし、2016年からは息切れ状態。

2017年分析当時、わたしは思いました。

なぜ僕たちはもっと早く出会えなかったのだろう?

一番いい時期に出会えない、そんな不運を悲しむわけです。

で、この後のトレードに関しては更新しておりません。
読んでいただいた方は著作権などありませんので、その後のストーリーについてはご自由に分析してください。

これからの時代、僕たちはどするべきなのだろう

2017年から比較して、システムトレードするための環境は大きく変化しました。
JQuantsAPIを始めとしたデータプラットフォームが立ち上がり、非常に簡単に分析できるようになりました。
ペアトレードするにしても、TOPIX500を対象に500C2のパターンで相関性を見るという作業もちょっとコードを書けばできる話です。
特徴量に関しても、前述のストキャスティクス%Kでも良いですし、無限に価格系の比較指標なんて出てくるので、沢山特徴量なんぞは作れると思います。
分析してドはまりして自信があるのなら実弾を放りこめばよいのです。

実際に私はNTT VS NTTドコモ、ソニー VS ソニーファイナンスで稼いでいた時期もありました。

複数のペアを作成し、機械学習でその日もっともスプレッドの縮小が予測されるペアを選んでトレードする、と言った手法でも良いかもしれないです。

よく皆がやっているランキングによるスタットアーブ的なやり方と異なり、ペア選定を実施したのちに、どのペアをロングショートするかを決める手法でも良いかもしれないと思っているのです。

時間枠についても、前場・後場、寄りTO寄り、月曜TO月曜、9:00~10:00など自由に考えて分析していってはどうかと思います。

システムトレードの醍醐味は自分だけのアイデアで人よりも稼ぎ、自己肯定感を得ることだと思っているので、自由な発想で分析を楽しんでいただきたいと思っております。

常に少数派であれ、それを合言葉にしています。

<関連書籍>

たぶん、ペアトレードの話であれば、下の書籍は外せないでしょう。
非常に有名な本です。

投稿者

SHIN

2件のコメント

  1. すみませんですが、関連書籍はどの本ですか?

    アルファ
    1. 記事にしている寄り引けのペアトレードに関しては関連書籍はないと思います。価格をトリガーとしたペアトレードなら、Amazonリンクを貼らしてもらっている書籍か、Pythonによるファイナンス等、いろいろな本に載っています。

      SHIN

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