もうこの記事を理解していれば、株本の入門書は読まなくて良いです。
それぐらい重要な話をします。

投資をする際にとても重要な指標がありますが、
それは
・PER(株価収益率)
・PBR(株価純資産倍率) 
です。
今日はこの二つについて理解し、そして株価に対するエビデンスを頭に入れましょう。


PER(株価収益率)について

PERとはPrice Earning Ratioといって、日本語で株価収益率と言います。
英語のサイトではP/E Ratioと検索しなければ出てきません。

意味としては単純で、株価に対してどれだけその会社が稼いでいるかを示しています。
会社の利益は誰のものでも書いたように会社の利益は株主のものであり、PERは株価に対してその会社がどれだけ株主のために利益を創出しているかという、重要な指標なのです。

具体的には下の図に示す通り、時価総額を純利益で割った数字がPERとなります。
数字が低ければ低いほど株価に対して利益の割合が多いということになります。

ではPERが低ければいいのか?という話になりますが、将来の期待が高いと株が買われ、結果として人気のある株はPERが高くなります。
また、株式市場が過熱化すると平均自体もあがってきます。
あのEVで有名なテスラはPERが400となっており、過熱感が半端ではありません。
もはやテスラのような株取引に参加している人はギャンブルを興じているかのように感じます。

PBR(株価純資産倍率)について

PBRとはPrice Book-value Ratioといって、日本語で株価純資産倍率と言います。
英語のサイトではP/B Ratioと検索すればでてきます。

こちらも意味としては単純で、株価に対して株主に帰属する会社の資産(株主資本・純資産)がどの程度あるのかを示しています。
会社が解散した際に株主に残る資産は帳簿上では株主資本・純資産ですので、株価に対してその株主資本・純資産があることに越したことはありません。

具体的には下の図に示す通り、時価総額を株主資本・純資産で割った数字がPERとなります。
数字が低ければ低いほど株価に対して株主資本・純資産の割合が多いということになります。

この数字も低ければ、低いほど一人当たりの株主に残る資産が多いことから良いと思われますが、PERの話と同様に、実際に成長性が期待される企業ほどPBRは高い数字になります。

では、市場が成長を期待している、皆が買っているからPERやPBRは高いほど、これからも上がっていくはず!と思う人もいると思います。
しかしながら、この論争にはすでに終止符が打たれており、明確な結論が学術的に出ています。

一つずつ、エビデンスを見てゆきましょう。

PERのエビデンス

下は各国の毎年の平均PERとその後10年にわたる株の平均リターンを調査したものです。

PERが高ければ高いほど、その後の年間株式リターンは低くなっています。どの国でもそのような傾向であることがわかっています。これは個別株に分けて調査しても同様の傾向になることがわかっており、高PER株の未来のリターンは低い傾向にあることがわかっています。

要するに株価に対して利益が多ければ多いほど、値下がりしにくく、結果としてリターンが高くなるのです。

PBRのエビデンス

下は各国の平均PBRとその後10年のリターンをまとめたものです。

まったくPERと同じ傾向です。PBRが高くなればなるほど縦軸の年間収益率が下がってきます。
こちらも話を個別株に変えても同じことで、PBRが低ければ低いほど、その後のリターンが高くなることは証明されています。
やはりPBRでも話は一緒で、株価に対して株主に帰属する資産は多いほど値下がりしにくく、結果としてリターンが高くなるということです。

最後に

基本的な指標であるPERとPBRを紹介、説明しました。そしてそれが低ければ低いほど、未来では期待収益率が高いこともわかりました。これは会社の価値である稼ぐ力と持っている資産が株価に対して大きければ大きいほど良い、というシンプルな話なのです。

すでに人気が出て、PERとPBRが高い株は、価格としても高く、すでに先の成長を見越して買われているのです。美味しいと何となく思ってしまうものはすぐに食べられるという、当たり前の話が株の世界でも一般的なのです。

低PER,低PBRで放置されている株は割安株、又はバリュー株と言われ、高PER,高PBRの株はグロース株(成長株)と言われており、長い歴史ではバリュー株が有利というエビデンスは数えきれないぐらいあります。このバリュー株投資で有名なのがウォーレンバフェットなのです。

そして、ウォーレンバフェットはつい最近、日本の商社株を購入しました。
これを読んだ後に調べてもらえばわかりますが、日本の商社株は非常に割安に放置されており、更には成長性もありました。日本の大手商社は日本の投資銀行とも呼ばれ、非常に様々な会社の株式を保有しており、専門家でも分析しにくい利益構造となっています。
理解しにくいものは人気が出にくい、そのため割安に放置されるということになっており、そこに目を付けたのがウォーレンバフェットだったわけです。

これからは日本株の割安株も見直され、バリュー株は更に未来の収益率が高くなるのではないでしょうか。

投稿者

SHIN

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