1年後の100万円の価値を考えたことはありますか?

もし貴方が年率10%で確実に運用できると仮定すると、1年後に100万円になる資金は90.9万円です。(100÷1.1=90.9)貴方がもし合理的な考えの持ち主であれば、今95万円を貰えるか、1年後に100万円を貰えるか選ぶとしたら、95万円とこたえるはずです。なぜならば、95万円を貰って自分で運用すれば、1年後には95+9.5=104.5万円となるからです。今貰うかどうかの判断の分かれ目は1年後に100万円となる90.9万円であるはずです。すなわち貴方にとって1年後の100万円と等価なのは90.9万円が合理的な答えなのです。

では、2年後の100万円の今の価値はいくらでしょうか?それは100÷1.1÷1.1=82.6万円です。時間が離れているほど、今の価値は下がります。この将来の価値に対して、今の価値に直したものを「現在価値」と呼びます。

この考え方はファイナンスの世界ではディスカウントキャッシュフロー法(DCF)と呼ばれ、将来生み出す価値・価格に対し、現在の価値を計算する方法です。企業価値を計算する上で、前提となる知識ですので、この現在価値の考え方については理解しておきましょう。

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