その事実は認めたくない・・・、これは皆が感じることです。世の中には沢山の不都合な真実が転がっており、それを見ぬように我々は暮らしています。

投資をする上で、事実を正確に解釈する必要があります。しかし、人間は認知的不協和という心理が働くことによって、事実が不愉快なものであれば、言い訳を探します。そしてその事実に対し、言い訳によって自己正当化を実施し、不愉快な気持ちをなくします。例を挙げれば以下のようになると思います。

・大好きな芸能人が大麻を所持していることが見つかり、逮捕。その芸能人は悪くないと信じたいため、大麻が良いという理由を探す。そして大麻が合法な国もあることも知り、日本の法律がおかしいと言い出す。

・親のからの遺産の3000万円でFXを始める。そして、数か月にしてその3000万円のすべとを失う。この損失は自分のお金を失わないための勉強代だったのだと言い聞かせる。

これを投資に当てはめると、ある投資をしている会社の業績下方修正の発表があり、ビジネスモデルの崩壊を知らせる前兆であったにもかかわらず、それを認めずにその会社の良い情報だけを見てしまうことが良い例です。所謂、事実を認めることができず、株を売らず、逃げ遅れるということにつながります。また、自分は長期投資家だから、こんな情報だけでは動かないという選択も認知的不協和と同様と考えても良いかもしれません。

投資とは自分の間違いを如何に早く認めるかが勝負の分かれ目だと思っています。この認知的不協和という性質をよく理解し、自分がそのバイアスに囚われていないか、常に現実に対し、ニュートラルで居られるかが重要と思われます。