我々が資本主義の世界を生き抜く中で、トマ・ピケティは重要な分析をしてくれました。  資本収益率(r)と経済成長率(g)を比べた時、歴史的にrが大きいことを証明しました。これは不動産・株式等から得られる収益率は、労働賃金等の成長率よりも高いことを示します。 一瞬で理解できるように、下の図に概要を示します。

上の図は投資家Aが1億の資産から得られる収入はr=10%とすると、1100万円になります。一方で、会社員Bは1000万円をもらっているとして、g=9%とすると2年目は1090万円もらえることになります。そして投資家Aは一年目の資産からの収入を投資に回していると、2年目の収入は1100万円になります。3年目になると、上図のとおり、さらに収入差は広がります。
もう、お分かりになったと思いますが、この状態が永遠に続くと、この二人の収入の差は無限大に広がってゆきます。

 つまり、これから先も投資家の資本を成長させるスピードは労働者の給料の伸びよりも早く、  聖書にも記載のある通り 、「持てる者はさらに与えられ、持たざる者はさらに奪われるであろう」  という言葉は、人の能力だけでなく、財という面でも真実であることが証明されたのです