アメリカ大統領選挙と株価、そして取りうる戦略について書きます。

現在、アメリカ大統領選挙の情勢はバイデン前副大統領の優勢と伝えられております。しかしながら、隠れトランプ大統領支持者もいるとの報道もあり、どのような結果になるかわかりません。前回、大統領選挙でもヒラリー氏優勢と報道ありましたが、蓋をあけると結果は異なりました。得票率ではヒラリー氏が勝っていましたが、選挙人の数で負けてしまいました。要するに前回結果の傾向からも予想は付きにくい状態です。

では、この2人の候補者は株価に影響する範囲において政策はどのように異なるのでしょうか。属する政党の方針も併せて下の表に非常に簡単にまとめました。

民主党共和党
大きな政府を理念とする。
高福祉社会の実現を目指す。要するに弱者や環境にに優しい
市場主義経済を重視することにより経済を活性化させる。
要するに経済重視。

民主党と共和党の違いは政府の大きさです。富の再分配を機能として持つ政府を大きくするか、小さくするかでこの2党は大きく異なります。そしてバイデン前副大統領は党の方針通り、大きな政府を目指すべく法人税公約を掲げています。

バイデン前大統領トランプ大統領
法人税28%へ戻す法人税21%をキープ
個人最高税率を39.5%へ戻す個人最高税率37%を維持

ここではっきり書くと、バイデン前副大統領が当選した場合、株が下がると予想するのが普通です。企業の最終利益は法人税が増税されることにより79%残っていたところが、72%しか残せなくなり、10%減ります。そうだとすると他への波及効果の高い企業利益を10%を削るということになり、企業価値評価上は10%理論株価が下がります。非常にシンプルです。

ただし、何が起こるかわからないのが未来であり、株式市場も同様です。大統領選までに株価が落ち、トランプ大統領が再選した時には株価は上がると想定されますが、すでに上がっていれば、さらに上がることは無いのかもしれません。バイデン前副大統領が当選すれば、下がるかもしれませんが、その前から下がっている場合、どうなるかわかりません。

しかしながら、前回大統領選では一つ分かっていることがあります。優勢劣勢がつかない同様の状況では株価は上下一方向へ動きにくく、大統領が決まってから大きく動きました。つまり変動幅が大きく上がるわけです。

株価の変動幅が大きくなると予想できる場合、以下の二つの戦略を取ります。

①ボラティリティーインデックスを買う。(難易度☆)
これはVIX ETF(証券コード1552)と呼ばれ、証券口座さえあれば、だれでも買うことができます。株価が大きく下がるときに、上昇します。コロナの時には3倍以上にも瞬間的になりました。見てもわかるように下値は限られており、すぐには下がらないので、選挙数量後、動かないのであればすぐに売りましょう。潜在的な損失は少なく、利益は大きいので、非常に有利です。

②オプション ロングストラドル戦略(難易度☆☆)
オプションの事なので、初心者向きではありませんが、オプションを活用すれば、下の損益状態が作り出せます。上に行っても、下に行っても儲かる戦略が成り立つのです。しかし、オプションの満期日に価格がそこまで動いていないと損をします。How to deal with option に関しては次回にしましょう。

③オプション ロングバタフライ戦略(難易度☆☆☆)
ロングストラドルに続き、もう少し難易度が高いのはロングバタフライです。下図を見てもわかるように、利益額は限定されますが、その分勝率は高いです。

なお、オプションはこのブログでも解説してゆく予定です。それまで待ちきれない方はGoogleに教えてもらいましょう。いずれにしても、一般の個人投資家よりもオプションを活用すれば、ヘッジファンドと変わらない取引ができます。リスク管理をしっかりすれば、訳の分からないことにはならないと思っていますので、しっかり勉強しましょう。