近況

年の瀬です。
昨日は16時から東京で打合せをし、弾丸で関西に帰ってきました。
会社では忘年会であったのですが、私は泥臭いトラブル収束をやっているので、こういうイベントとは結構無縁です。
なにせ、急にお呼ばれするわけでして、資料もそんな関係から前日に作って飛び込む感じで、何時も過ごしている日常がコレですから。
そんな中でも帰りの新幹線では株価のデータを触っておりましたね。
仕事せんかい!という声が私の脳内で聞こえますが無視です。

本日のお題

先日の日記にも書いた通り、日経225の寄り引けを引き続き研究しています。

オプション化したとはいえ、元々戦略はちょっと物足りないので、いろいろな視点から調査をしておりました。

その中でも顕著に効くレジームが見つかったので、今回はつらつらとレジームとやらについて書いてゆきます。

What is regime?

レジームとはシステムトレードの経験がそこそこある方はよくわかっているとは思います。言葉を言い換えると、相場の状況を表現したものです。英語では政権等の意味が出てきますが、よく単語の意味を活用したものだな、と思いますね。

仮想通貨であればレジームの変化でよく言われるのが、バブル期と閑散期。
この2つだと明らかに効く特徴量は異なります。
バブル期なんて、モメンタム特徴量が非常に効果的で、バブル終焉まで効いてゆきます。
そして、超閑散期になるともっと異なり、何が特徴量で効くの?という状態にまで変化します。
そんな相場の状況の変化を捉えて戦略・特徴量を変えるのがレジームスイッチという概念です。

このレジームが変化する様を捉えるのは全体を回帰分析することでは不可能で、入念な調査が必要です。
最近では機械学習でパッとできるのでは?と思われているからこそ、みんな機械学習を活用しているのだと思います。特にツリー系を。

レジームが変わる様

今回は、日経225先物で見つけたレジームの変化を見てみましょう。

特徴量、A、B、Cと名付け、これらを使ってレジームがどう変わるかみてゆくことにします。
日経225先物の8年分のデータで、寄り引けリターンに対してこのA、B、Cの相関がどのように変化してゆくのか見てみましょう。

まずは8年全てのデータで分析した相関性を図1に示します。
悲しくも、0.1を超える有効な特徴量はなさそうです。
最弱は特徴量A。

図1:データ全体での特徴量相関性

普通であれば、ここで新たな特徴量を探すのでしょうけど、ちょっとスパイスがわりに、あるルールにしたがって、特定のデータを排除してみましょう。そうすると結果は図2の通りに変化します。

図2:部分的控除データでの特徴量相関性

見事に特徴量Bが使えるレベルまで頭角を現します。
多分、80%ぐらいの人がここで調査を終えるかもしれませんが、
諦めてはゆきません。
最弱の特徴量Aでレジームを考えてみようではありませんか。
特徴量Aの大小関係でデータを分割してみましょう。

特徴量Aが大きいときを図3に示します。これまで、支配的であった特徴量Bが姿を潜め、特徴量Cが支配的に変わりました。どうもAが大きい時はBは全く機能しないようです。
これはBを何も知らずに使っているとちょっと怖いですね。

図3:部分的控除データで且つAが大きいときの特徴量相関性

次に特徴量Aが中程度の時はどうでしょうか?図4を見て下さい。これまでCの相関がマイナスであったのが、プラスとなり更にはその相関性も0.1以上もあり非常に強いです。
相関関係がレジームのよって逆転しています。
すなわちはデータ全体では全く見えなかった相関がレジームを加味して見てみると炙り出されるのです。特徴量Cは本当にあまのじゃくです。

図4:部分的控除データで且つAが中程度のときの特徴量相関性

最後に特徴量Aが小さい時を見てみましょう。図5の通りですが、ほぼBの独壇場です。
元々、図1・図2でも示した通り、Bは強い存在でしたが、支配下においているのは特定のレジームだったというわけです。

図5:部分的控除データで且つAが小さいときの特徴量相関性

Conclusion

レジームが異なることで効く特徴量が全く異なることはお分かり頂けたと思います。
ただし、注意点があります。

私の場合は各レジームでもサンプル数が十分に取れられていることを確認してから、分析の確からしさを確認しています。
もしこれらを機械学習で自動で出してしまうと、このサンプル数確認をすっ飛ばしてしまう可能性もあり、わずかな例外の排除だけをしてしまう可能性があります。
これは単なる過剰最適化ですので、非常に注意が必要です。
正則化、階層を減らすなど、対処の方法が沢山あると思いますので、上手にやってみて欲しいと思います。

なお、私はまだまだアナログ人間なので、xでは下のように呟いています。


私を反面教師にして、効率的にやるなら、可視化技術を磨いて行くことです。
エレガントな方法で分析をして、是非私に心の中でマウントをとって下さい。

今日はこの辺で。

<冬休みに勉強すること>

技術を磨く、これにつきますので、100本ノックを受けてみようと思います!