今回紹介するのは株式投資ブログでも出てこないと思われる尖ったものを紹介します。この本は本屋ではギャンブルコーナーに置かれている本ですので、良い人は目にしないと思います。

著者の卍氏は累積で28億7000万の馬券を購入し、30億1000万を払い戻して、約1億4000万を稼ぎ、申告していませんでした。国税側はこの馬券購入費28億7000万のうち、当たり馬券である1億3000万円しか経費として認めなかったそうです。となると、約30億円ほとんどに課税され、巨額の税金を要求されます。これに対し、卍氏は馬券購入費28億7000万全てを経費として認めてもらわねば破産するわけで、裁判となりました。結局のところ地裁、高裁、最高裁全てで卍氏は勝利します。通常国税側と挑む裁判では国税側の勝率は96%を超えており、絶対勝てないというのが普通だそうです。素人としては卍氏の主張は当たり前なのですが、最高裁で判例が出ることが今回重要だったポイントかと思われます。

投資家としてこの本の醍醐味は”確率的に正しいことを網羅的に実施する。そうすれば必ず儲かる”ということだと思います。競馬という主催者が売り上げの3割を取ってゆく、圧倒的なマイナスサムゲームで勝つということは、通常では考えられません。強烈な確率的優位性を持つことが重要で、その優位性を独自の分析で導き出していた訳です。

卍氏の手法は馬券のオッズの非効率性をうまく利用した手法なのですが、これは投資でも有効な手段は同様です。株式市場には、割安・割高株が並んでおり、割安株の投資はリターンが長期的に高いことはよく知られた話です。他にもたくさんの歪みがあり、自分で分析すれば見つかるものもあります。また、人は違う視点・行動が必要とも考えられます。

この本は深い分析により確率的優位性を導き出すことはどの世界でも共通であると再認識させられる一冊です。是非どうぞ。

投稿者

SHIN

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