人間とは自信過剰な生き物です。


アメリカの学生にアンケートで「自分は平均以上のドライバーか?」というアンケートを取ったところ、三分の二が平均以上と答えたそうです。
本来、自分の能力を全員が正確に知っていれば、このアンケートは平均以上と答える人数は半分に留まりますが、三分の二が平均以上と答えたアンケートの結果から、全員が自分の能力を正確に知っているとは言えず、自信過剰な学生が多いという結果となりました。

では彼は情報が少なかったのでしょうか?正確に知りうる情報が足りていないから、平均以上と答えたのでしょうか?
実は人間は情報が多ければ多いほど自信過剰になります。

これはコントロールの幻想と言って、情報が多ければ多いほど、物事は自分のコントロール下にあると信じてしまいます。株でもこの効果がかなり昔に実際にアメリカで計測されていました。


オンライン投資は今では当たり前ですが、その昔は電話で証券会社に連絡し、株式を購入している時代がありました。
その時代から、インターネットが普及し始め、オンライン投資に切り替えた人たちが現れ始めます。そして、オンライン投資に切り替えた人たちは、切り替える前の人たちに比べて、情報に溢れてたはずと想定されます。情報が命と言われる投資において、勝敗はオンライン投資に切り替えた人に軍配が上がると思われていました。
しかし、調査結果は以下の通りとなりました。

A。オンライン投資を始める前の人のパフォーマンス平均・・・・年率17.9%

B. オンライン投資に転向した人のパフォーマンス平均・・・・年率12%

上記の結果は、期待とは裏腹に情報を持っているほど、パフォーマンスが低くなる結果となりました。
この結果をよく調査するとオンライン投資に切り替えた投資家はコントロールの幻想により、自信のコントロール下におくため、売買を繰り返した方が儲かるという幻想にかられ、売買頻度が高まり、パフォーマンスを落としたと思われます。
売買頻度が高まると、損失回避や代表性バイアス等、他の心理的なバイアスによってもパフォーマンスは押し下げられる訳です。

また、現代としてはインデックス投資・投資信託投資から、個別株投資に切り替えた人たちがこれに当てはまると思われます。ある程度の確率的エビデンスを知っていない限り、個別株はお勧めしません。株式投資の研究結果、エビデンスは既に多数明らかになっているわけですので、そのエビデンスは頭に入れたうえで、確率的優位な投資を行うべきと考えます。

私個人としては、投資とは頻繁に売買を繰り返さず、どっしり構え、売買ルールを以って投資する、機械的にインデックス投資で積み立てる等、心理的な影響を受けない投資を行うことをお勧めします。

投稿者

SHIN

自信過剰な精神こそが、損失を拡大させる件のコメント

  1. […] 投資において、自信過剰はマイナスの要因を持つことは10月4日の記事で書きました。なんとなく、自信過剰で感じるのが、男性の方が自信過剰な人が多いということです。日常生活で感じるのは男性の方が自慢話や、武勇伝を語ることが多く、自分を大きく見せる傾向にある気がします。では、自信過剰の度合いは男女でどれほど違うのでしょうか。投資の分野では調査が行われており、売買の頻度でその差を見ています。 […]

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