投資で最も重要なのは精神の取り扱いと感じています。その人間の行動を金融関係に落とし込んだのが、行動ファイナンスであり、その中で最も有名なのは”損失回避”ではないでしょうか。
損失回避の思考は非常にシンプルです。


上の図に示す通り、人は100円を得する気分向上度合いと、100円を損する気分下落度合いは同等ではありません。100円損する方が、100円得するより、気分の降下度合いは高揚度合いより高いのです。
たとえば、以下の例はどうでしょう。
①半分の確率で200円が貰え、半分の確率で100円損する。
②絶対100円稼げる。
どちらも期待値100円の儲けですが、ほとんどが②を選ぶと思います。

この損失回避効果により、人は損失を認めず、損失が出ている株を手放す事を遅らせてしまいます。
そして儲けの出ている株をすぐに売り、損失を出ている株をいつまでも持っているわけです。
これが株の短期売買を繰り返す人が儲からないと言われる理由です。そして長期投資が有利である一つの理由でもあります。長期投資には配当効果もあり、短期投資よりも利益が出やすいという性質・エビデンスもあることから、まともな本は長期投資を勧めているわけです。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」と言いますが、人の精神の在り様を知り、自分が非合理的になっていないか確認することは「己を知れば」にあたるわけです。是非、心に留めておいてください。